タイのクラフトビール文化:南国で進化する個性派ビールの魅力

目次
1. はじめに
タイといえば、チャーン(Chang)やシンハー(Singha)といった大手ラガービールのイメージが強いですが、近年、タイ国内でクラフトビールの人気が高まりつつあります。都市部を中心に、地元の醸造所が独自のレシピで造る個性豊かなビールが注目され、国内外のビールファンを魅了しています。本記事では、タイのクラフトビール事情、その魅力、注目のブルワリーやおすすめのバーを紹介します。
2. タイにおけるクラフトビールの現状
2.1 法規制とチャレンジ
タイではアルコールの醸造に厳しい規制があり、商業目的のビール醸造には高いハードルがあります。
- 公式に醸造を行うには年間10万リットル以上の生産が義務付けられている
- 小規模醸造所はラオスやカンボジアなどの近隣国で製造し、タイに輸入するケースが多い
それでも、地元の熱意ある醸造家たちは独自のブランドを立ち上げ、国内外のコンペティションでも高い評価を受けています。
2.2 市場の広がり
タイの若者や外国人居住者を中心に、クラフトビールを求める声は年々高まっており、バンコク、チェンマイ、プーケットなどの都市を中心に専門店やタップルームが急増中です。
3. 注目のタイ産クラフトビールブランド
3.1 Stone Head Brewing
- 概要:もともとタイで始まったブランドで、現在はカンボジアで醸造。
- 代表作:「The Dark Side(スタウト)」「Pale Ale」「IPA」など多彩なラインアップ。
3.2 Chalawan Pale Ale(by Full Moon Brew Works)
- 特徴:タイ神話に登場するワニ人間「チャラワン」をモチーフにしたラベルが印象的。
- 味わい:トロピカルな香りとホップの苦味がバランスよく融合。
3.3 Outlaw Brewing
- 拠点:チェンマイ
- スタイル:アメリカンスタイルのクラフトビールを中心に展開。
- おすすめ:フルーティーなIPAや香ばしいアンバーエールが人気。
3.4 Sandport Beer
- 拠点:バンコク
- 特徴:ローカル素材を生かしたレシピで、季節限定ビールも多数。
4. クラフトビールが楽しめるおすすめスポット
4.1 バンコク
- Hair of the Dog:世界中のクラフトビールが揃う、ビール好きの聖地。
- Mikkeller Bangkok:デンマーク発の有名ブルワリーのアジア拠点。
- Taproom Ari / Taproom Sukhumvit:国内外のクラフトビールが楽しめるおしゃれなタップバー。
4.2 チェンマイ
- My Beer Friend:地元のクラフトビールが豊富に揃う人気店。
- Beer Lab:フードも充実したビアパブ。
4.3 プーケット
- Full Moon Brew Work Taproom:クラフトビールとともに南国の雰囲気を味わえるスポット。
5. タイのクラフトビールの未来
法規制の緩和が期待される中、タイのクラフトビール文化は今後さらなる成長が見込まれています。地元食材やスパイスを活かしたビール、地域限定商品など、タイならではのクリエイティブなビールが今後ますます増えていくでしょう。
6. まとめ
タイのクラフトビールは、情熱と創造性から生まれる個性派ビールの世界です。規制という壁を乗り越えながらも、地域に根ざしたブルワリーが次々と誕生し、アジアのクラフトビールシーンをけん引する存在になりつつあります。タイを訪れた際は、ぜひ地元のクラフトビールを味わって、その奥深さと楽しさを体感してみてください。
(Photo by Unsplash.com)